3連休は夫の仕事のリサーチに同行している途中に、糸島二丈町にある、約800年続く歴史あるお寺「龍谷禅寺」に立ち寄った。
金木犀香る境内は夕日が当って非常に穏やかで、胸がスーッと平らになるような平穏な気持ちになれる。何気なくフラっと入って仏様の前で手を合わせていたら、若い寺の主人がお出迎えしてくださった。
「熊の住める自然環境を残す」という生態系維持活動を行っているNPO団体日本熊森協会の会員でらっしゃるという事で、まずは森の生態系についてオシャベリが始まる。竹林だけでなく杉ヒノキの林についても荒廃が止まらず、生物の住みにくい自然環境が増えてきてしまっている現実。熊は、森の中に住めば、片手で余分な枝などを切ってくれて木々を整えてくれたりと他の生物達にとって非常に影響力が大きい循環を作りだしている生物だそうだ。
具体的に熊森保護のためにフィールド活動するというレベルでなくても、まずは1人1人が自然の中にいる時間を創り、生命の大切さを身近で学び知る事が大事。森の住人としては、生態系の中に身を置く事によって思考や感覚に良い変化が現れるという体験を伝えていきたいと思っており、非常に共感出来るものがあった。
これからの地域においての寺の役割についても熱く語ってくださった。
「地域に残したい大切な文化を伝承していくパブリックスペースとしての存在感をもっともっと高めていきたい」
(例)アート展や和楽器コンサートの会場として、地域の食品や伝統工芸品などを出店出来る市場と交流の場として
直近では、和楽器の伝統芸能集団をゲストに招いて仏様の飾ってある部屋のだだっぴろい畳広間でコンサートイベントを開くとか。寺という空間と、糸島の時間と、田んぼ風景、和楽器、これらがミックスして作られる時空間は非常に興味深い。迷わず行って来る事にした。
地域の栄枯盛衰の歴史や、個人の墓の所在地まで・・・御坊さんまでもを巻き込んで情報リサーチをしていた夫は、まるで江戸商人のようなprimitiveさを佇まいから放っていた。
自宅近くの寺巡り、人を介してまた色々な情報が手に入る。こういう昔の日本的な日常を、私は最近とても気に入っている。その中に、かならず「伝統」が見つかるから。伝統とは、古いだけのものではなく、そこに時代の進化をのせたもの。若い世代の地域のリーダーは、どんな立場であれ、新しい息吹を昔からあるものに吹きこんでいる。
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田んぼコンサート 和民のうた
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