伊都安蔵里という自然農野菜/こだわり自然食品の直売所に最近よく行く。
そこで売り場に野菜を並べていた自然農農家を営む若い男性と出会った。糸島二丈町の自然農塾で修業されて独立されたといい、強い眼差しを持っておられる方だった。海外からもめずらしい野菜の種を取り寄せ糸島の気候風土に合ったものだけを作っているという。生産者ごとにコーナー分けされているのだが、彼の区画は色も模様もツヤも目を惹く野菜が多く、1日通じて売れ行きが良かった。
自然農とは、「耕さない、肥料農薬を使わない、草や虫を敵としない」、生命の営みにひたすら沿う世界。
刹那刹那に変化する生命の世界を受け止め、問題が起こっても手をつけず、ひたすら自分達の在り方を問い原因を他に求めない農法である。その興味深い絶妙な世界観は「自然農への道」という本を熟読して知ったのだが、作られた作物がどれだけ純粋でたくましいのか(味が濃く栄養価が高いとは聞くが…)?収穫出来たモノのうち、どれくらいが商品になるのか?など、色々と興味があった。
こちら全て自然農法によって作られた元気な野菜達。姿形も綺麗で、実が詰まりパンパンでツヤがある。
この糸島産イタリアナス「リスタータ・デ・ガンディア」を、オリーブオイル炒めと、和風だし&しょうが炒めで早速調理して食べてみたが…
いくら炒めても歯ごたえが消えずプリプリしていて、食べたことのないミルキーな味わいだった。オリーブオイル版はハーブ(フルーツセイジ)を加えて炒めたらより美味しかったし、和風だしもとてもよく合う。食べ応えが合って味が濃い!色んな料理に使えそう。さすが生産者のお勧めだけある。
聞いたところによると、自然農法の実践者の中でも生産性にはもちろんバラツキがあるが、商品として売り出せる野菜は全収穫分の10%-20%位が平均だとか。経済性の側面だけをみるとやはり難しいけれど、自然農という農法が日本全国で発展してきて存在している事実がある限り、その世界観に学ぶべきところは沢山あると思う。自然をどう捉え、働きかけるのかは本来自由であるはずだし。自身のガーデニングでも思想を取り入れ少し実践してみて結果をみてみるか。
ビビッときたのでやってみて結果を見る、そして取り入れていく部分を見極める、というよりは自分に必要なものは自然と残っていく。人との出会いも、新しいアイデアとの出会いも、新しい体験も、そうやって消化していくと前に進んでいく。自然農の思想と、実践者との出会いも、無駄にしないで吸収していきたい。
日曜日は、「糸島まるごと農学校」の野菜作り講習の本番に参加。
旦那さんが海外出張でいなかったので、グループ作業で人数が足りず、2人分汗を流して動く。
レタス・はくさい・ブロッコリー・キャベツなどのトレイへの種まき(育苗)と
畑で10mX1mくらいの畝作りと大根の種まきを行った。
これから12月にかけて、参加者が毎週様子を見て害虫駆除・水やり・草とりなど、全て自分達で行う。青虫アブラ虫対策に種まきの時点で穴に少しだけ農薬をまいたが、それでも害虫駆除は完璧ではないらしい。(うちのグループは既に効果を実感している竹パウダー「ゆめ竹」を追肥として使用予定だ。)
カマとすきで畝を形作ったり腰を曲げて細かい種を手で植えていく作業を2時間位ぶっ通しで続けていたら、首も腕も腰も若干筋肉痛になったが、農園の環境で人々と一緒に汗を流した経験は非常に気持ち良く、一日中体が軽く行動力が出た日になった。自宅用の種も仕入れておいた。
午後は家の大掃除、ガーデンの草刈り、お客さんの事務所で打ち合わせ&ブレスト、自然農野菜の料理に読書、休みなしに一気に片付けた。
独身休日の方がやるべき事がトントン進む、というのは気のせいだろうか。。?まぁ畑作業で生命力が蓄えられたとのだと捉えよう。「食」も「農」も、知れば知るほど、体験すればするほど、奥深い。
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