11月4日、福岡市内のスペイン料理店で行われた、(有)緑の農園 代表早瀬社長と、農学博士佐藤剛史氏のトークライブにお邪魔した。
ウチの家庭でも毎日のように愛食している糸島発のつまめる強い卵、「つまんでご卵」を生み出した、緑の農園の経営者とその夫人、そしてスタッフさんなど、多くの関係者の方々にお会いすることが出来て、直接沢山お話を伺えた。1消費者として、納得して愛用している食材の生産者とこうして会い、信念・今後の展開や想いを語って頂ける機会があるという事に感謝だ。
東京に住んでいた頃から、夫が福岡出張に行く度にわざわざ糸島の直売所に行き仕入れてきてくれて食べていた卵。ファンだった。糸島に来てからは、私の実家に送ったり、東京から来た友人たちを必ず直売所に連れて行って卵かけご飯を皆で食べるのが定番。誰が何と言おうと、1度食べたら病みつきになるほど、そして周りの人に伝えたくなるほど美味しい。
そんなブランド卵、「つまんでご卵」の誕生秘話、育て方、そしてビジネスとしての成功の秘訣がまとめられた書籍が発売された。その名も「金の卵」。食に興味がある方々には是非お勧めしたい。
著者佐藤氏曰く「奇跡のりんご」への対抗心も少しあったと言う本書。
経営者早瀬さんご夫婦の経歴、脱サラ創業から20年間の苦労、手作り鶏舎・ネスト・えさ・糞の自然分解方法等の拘り、そして今後の平飼いシステムのフランチャイズ事業と拡大戦略について、軽やかに読み易く書かれていた。早瀬さんやご夫人の信念が伝わる、血の通った会話言葉がちりばめられていて臨場感もある。自然農法とビジネスの両立の成功モデルとして、価格メカニズムや、リピート率を生んでいる早瀬さんのサービスの心構えなどもネタバレアリ。
普通卵の価格は1個10円~17円程度、30年間それは変わらず、その価値は平均所得の推移から考えても1/30になったと言える。つまんでご卵は1個50円。近代の立体方式の養鶏技術で大量生産された普通の卵の3倍の価格で売っても80%以上のリピート率を誇る。今では7000羽のニワトリでは生産が追いつかないという。
以前も書いたけど、強さの秘訣は「ニワトリが奔放にストレスなく育つ住環境を与える事。」
昔ながらの平飼いに近代の技術を取り入れている早瀬さんの鶏舎では鶏が1日、一羽づつなんと10000歩も歩く。(名は万歩鶏。)最高に整えられ愛をこめて手作りされた住環境を与えられたニワトリは、自由に1日中走り回り、ストレスも感じず、科学的にも栄養価の高いブランド卵を産む。
味も間違いなく美味しいのだが、やはりそこにいたるまでのストーリーや拘り、現代に平飼いを採用する”意義”という部分に魅了される。
生命の法則を決して無視しない手法。
ニワトリへの愛情を貫きとおした結果生まれた新しい技術や工夫。
今回のトークライブのように、生産者の想いを伝える啓蒙活動を自ら行う熱意。
スタッフさん達への愛情溢れるコミュニケーション。
どれもホンモノ!
ご本人は地元民に優しくとても気さくでオープンな方。農場見学や、ニワトリの世話の体験もさせてくださるというので、またまた色々と学ばせて頂こうと思う。
今非常に関心の高い「食と農」のprofessionalと過ごす時間は、夢のようで本当に楽しい夜だった。
おぉ〜 これは美味しそう。食べてみたいね。
生命の法則を無視しないっていうのが、キーワードだね。
それって、人間の場合どういうことになるんだろうね。
投稿情報: maltambassador | 2010/11/12 22:26
朝、直売店で食べる卵かけご飯は最高です!
人間の場合。。。
人の育成に対する、深い問いかけですな。
自分でゼロから経験してみないとなんとも言えないけど
植物や動物とは混同しないようにしないと危険ですね。
投稿情報: Sumeba-Miyako | 2010/11/13 11:05